心筋T2マッピングとは

・心筋T2マッピングは心筋浮腫を定量的に評価できるシークエンスの名称である。定量的T2マッピングは、T2強調画像よりも正確に浮腫を評価可能である。T2マッピングは、動物実験において実際の心筋水分量との強い相関を示すことが証明されている。

T2緩和時間0、25、55msで取得した3枚のシングルショットT2preapared(bSSFP)画像から測定した心筋と動脈血の横方向の信号減衰を示す。3枚の画像からT2 map画像が生成され、心筋の局所の浮腫の定量評価が可能となる。
Aaron T. O’Brien etal. Journal of Cardiovascular Magnetic Resonance volume 24, Article number: 33 (2022)より引用

・さまざまな疾患においてT 2 mappingの重要性が照明されているが、特に有用なのが”心筋炎”の診断である。心筋炎の診断基準には”modified Lake Louise criteria”が用いられている。

Ferreira, V.M. et al. J Am Coll Cardiol. 2018;72(24):3158–76.より引用

MRIでの心筋炎の診断基準を”modified Lake Louise criteria”という。

非虚血性の心筋T1異常 かつ 心筋T2異常で”心筋炎”と診断する。

遅延造影での異常高信号域(T1異常)=心筋壊死・線維化を表し、T2強調画像での高信号域=心筋浮腫を表す。
T1異常かつT2異常ありで心筋炎の診断基準を満たす。

しかし、軽症な心筋炎ではT2強調画像での診断が困難なことがある。
その時に役立つのがT2マッピング

心筋浮腫のカットオフ値の設定は60msecとすると活動性の心筋炎と慢性期の心筋炎を区別可能であったという報告がある(Bohnen S et al: Circ Cardiovasc Imaging. 2015 Jun;8(6):e003073)。

免疫チェックポイント阻害薬の副作用による心筋炎。(A)のT2強調画像では浮腫の診断は困難だが、(B)のT2マッピングでは赤い部分が心筋浮腫であり、客観的な浮腫の評価が可能になる。
各種心疾患とT2mappingの異常。T2緩和時間は用いるMRIスキャナー、磁場強度などに影響を受けるため、各施設で施設基準値を調査するのが望ましい。

また興味深い点としてアミロイドーシスの診断に2マッピングが役立つという報告がある。ALアミロイドーシスとATTRアミロイドーシスを比較すると、ALアミロイドーシスにおいてT2緩和時間が延長しているという報告がある。

Fourat Ridouani et al. J Cardiovasc Magn Reson. 2018; 20: 58.より引用
Jeremy A. Slivnick MD etal. JACC Cardiovasc Imaging. 2021 Jan;14(1):302-304.doi: 10.1016/j.jcmg.2020.07.030.より引用
年齢、RVEFにT2mapを加えるとAL,ATTRの鑑別が可能になる。

・T2マッピングは心筋浮腫の定量的な評価が可能である。

・主に心筋炎の診断に役立つ。MRIの心筋炎の診断基準は”modified Lake Louise criteria”を用いる。

・ALアミロイドーシスではATTRアミロイドーシスと比較してT2緩和時間が優位に高いという報告があり、両者の鑑別に有用な可能性がある。

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